玄関扉

 チェーンをかけて玄関扉を少し開けておくと、風が通り抜ける。夏場は良くそうしてある。しかし、自分が出かけて帰ってきたときにこうしてあると、閉め出された気がする。それは中に誰かいるということを意味しているから玄関のピンポーンをならせば良いだけだ。しかし、もし、それが寝ていたり、トイレに入っていたり、聞こえない状態になっていたらどうなるのか、というので、誰かが外に出ているときはやるなといっている。玄関横の部屋の窓を開けていれば同じなんだからと。
 前にもそれで「閉め出すなよ」といったのに、またそれをやる。閉め出された感が嫌なのもあるけれど、前に何度もいったのに、またそれをやって、挙げ句に「謝ってんだからそんなに怒るな」というものだから、また、腹が立つ。
 ひょっとすると、本当に認知症が入ってきちゃったんじゃないか、と疑ってみる必要があるかも知れない。どうも、そんな気がする。