なぜに泣く

 人を幸せにできない、とわかった時に、さめざめと泣く。それはひとつの奢り。そんな簡単に人を幸せになんてできるわけがない。それなのに、あぁ、人を幸せにできないんだ、と泣く。人を幸せにできる条件とはなにか。それに勝手に合致しないことをいいだしてもしょうがないだろうにと。いや、そうじゃないだろう、泣きたいだけじゃないのか。なぜに泣く。
 あれからもう50年。